適切なMOVおよびX2コンデンサの組み合わせを選ぶ方法

1. はじめに

AC/DC電源入力保護において、MOVバリスタとX2安全規格コンデンサは、サージ抑制とノイズフィルタリングの基盤を構成しています。

適切な組み合わせにより、コンバータの長期的な信頼性、EMC性能、および国際安全規格への適合が決まります。

2. MOVおよびX2コンデンサの機能的役割

MOVバリスタ：

過渡電圧に対し サージエネルギーを敏感な回路から遠ざけるために、ナノ秒単位で導通するサージサプレッサーです。

JARON 10D471Kは470Vのクランプ電圧と120Jのサージエネルギー耐量を備えており、230VACシステムに最適です。

X2コンデンサ―差動モードノイズフィルタリング

L－N端子間に設置され、電源ラインの干渉信号を吸収します。

自己修復性および難燃性を備え、IEC 60384-14規格に適合しています。

推奨モデル：JARON X2-MKPシリーズ、静電容量範囲0.1–0.47µF、定格電圧275\310VAC。

3. 標準化された選定方法

正しい選定プロセスでは、電圧レベル、エネルギーのマッチング、およびコンデンサの放電特性を同時に考慮する必要があります。以下の推奨手順に従ってください。

ステップ1：電源の定格電圧を決定する

ステップ2：エネルギー吸収と放電時間のマッチング

MOVエネルギーはX2コンデンサ放電エネルギーの1.2倍以上であること；

MOV応答時間はX2コンデンサ放電時間以下であること；

入力サージ環境が厳しい場合（産業用途など）は、エネルギーマージンを向上させるために2つのMOVを並列に接続することを推奨します。

4. 試験および比較データ

同じ電源条件下で、従来のRCフィルタリング方式とMOV＋X2組み合わせ方式との比較を行います：

テスト結果では、残留電圧が40%低減し、EMIが16dB改善、熱上昇が28%低下しており、MOV+X2の組み合わせがRCベースの設計よりも優れていることが証明されています。

5. 環境および安全規制への適合

すべてのJARON製品はRoHS、REACH、UL／TUV／CQC認証要件に準拠しており、スイッチング電源、アダプター、インバーター、家電製品の制御システムに直接適用できます。

6. 設計ガイドライン

MOVはエネルギー吸収経路を短くするために、ヒューズ入力端子に近い位置に配置する必要があります。

X2コンデンサーは整流ブリッジ入力に近接させ、低インピーダンスループを形成する必要があります。

安全性の規制適合性を向上させるために、放電抵抗（≥1MΩ）を並列に接続できます。

雷害地域や工場の電源分配端末など、高サージ環境では、サーマルプロテクションヒューズまたはバリスタモジュールを追加できます。

7. 適用シーン

MOV＋X2の組み合わせは、産業用電源モジュール、LEDドライバー、家電製品コントローラー、EV充電システムに最適であり、安定かつ信頼性の高いサージおよびEMI保護を提供します。

8. 結論

JARONのMOV＋X2標準化された組み合わせソリューションは、AC／DC入力保護における安全性、安定性、低損失の最適なバランスを実現しています。

IEC/ULの国際規格に適合しており、複数の電圧プラットフォームと互換性があり、グローバルなOEM/ODM向けに高い一貫性と量産しやすさを備えた電源保護ソリューションを提供します。

MOV＋X2コンビネーション | AC/DC入力保護 | サージフィルタ設計 | セーフティコンデンサ選定